先日、学習院経済学部消費者行動研究室(青木幸弘教授)と㈱大広といっしょに調査・分析した『ライフコース・マーケティング分析レポート』に発表したコメントを掲載します。
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「住宅を購入するシングル女性」について、その「イメージ」と「実態」には大きなギャップがあります。彼女達について、ディベロッパーをはじめとする不動産業界関係者でさえも、実態を十分に把握しておらず、誤解しているケースがみられます。もっとも大きな誤解は「住宅を買うシングル女性=キャリアウーマン」という思い込みです。「年収が高く、キャリア志向も高い、結婚を考えていない」という一部の限られたシングル女性だけが、住宅(マンション)を購入するという、イメージで語られてしまいがちです。
しかし、実際にはキャリアウーマンと言われる、仕事中心の生活をしている女性は、「マンションを買う」という考えよりも、会社にいる時間が長いので、独身男性と同じように、むしろ賃貸住宅に住まうことが多いようです。住まいを購入するシングル女性は、アフターファイブの時間が十分あり、プライベートな空間を大事にする「普通のOL」なのです。
「女性のための快適住まいづくり研究会」では48,950人(2009,2/1現在)の住宅を購入する意識を持っている女性が会員となっていますが、今回の調査結果から導き出された「住宅を購入する女性像」は、研究会の会員像に近いと思います。普段、会員と接していて、私達が感じていることが、調査によって、定量的に示されたと言えます。
なお、彼女達を表すキーワードは「自然体」と考えています。「こうしなければならない」という規範意識ではなく、あくまで、自分のペースで住まいについて考えています。ライフコースという視点で見ても「住宅を買ったから結婚しない」という、古い考え方に縛られているのではなく、「今を快適に住まうために家を買う」という自然体の感覚で購入しているようです。だからこそ、レポートにまとめられたように、将来のライフコースの変化に対応する「自由度」が重視されるのでしょう。
不動産不況といわれる昨今でも、シングル女性の購入意欲は衰えていません。それは彼女達は堅実な志向を持っているため、景気の好況・不況によって購入意向が極端に落ちることはないからです。むしろ不動産価格と住宅ローンが下がった「今がチャンス!」だと現実を直視しています。
しかし、住宅業界にとって、有望顧客である彼女達に向けたサポート体制は、まだまだ十分とはいえません。以前、公庫が利用できる住戸はマンションの場合は50㎡以上でしたが、住宅支援機構のフラット35や銀行の住宅ローンが利用できる住戸は30㎡以上となりました。今後、予定されている住宅ローン減税においても、対象とする住宅の面積を、それと同様に検討する必要があるかと思います。ライフコースが多様化しているからこそ、住宅購入についても選択肢を増やす必要があるのではないでしょうか。
まじめにコツコツと働き年金や税金をきっちりと払い、ECOにも関心が高く、結婚も視野に入れながら、子供を産むことも、そしてマンション購入も考えているシングル女性達が社会を支えているのではないか、と私は思います。
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